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木製内窓と杉の置き床生活の向こうにおしゃれなキッチン
木の好きなお客様の傾向として、すべての内装材に極力自然素材を使いたいという傾向が強く見られます。
コンクリートという生物学的に極めて不健康な空間(※静岡大学のマウス実験)に住む私たちにとって、日照や室内の温湿度、換気のコントロールは非常に重要なことです。
そういう意味では、杉や桧の生活環境補完力はとても優れています。
杉や桧の生活環境補完力とは…?
①自然の調湿力で室内湿度を調整する。無垢の床材は足元がサラサラ(夏季)。
②無垢材の持つ保温力と遮熱力。室内温度を取り込みキープし、窓からの熱を遮断。
③ダニが活動制御される杉や桧の香り。
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アイランドタイプキッチン
厳密なアイランドタイプは流し台の天板と同じ高さでダイニング側に伸びるキッチンで
人造大理石が普通(普及価格帯)ですが、ステンレス天板でこの雰囲気を出したのがこのキッチン。カウンターはなるべく低いホワイトのアイカコア、垂れ壁も取って開放感を出し、照明も可愛いでしょ?この形なら色んなカラーの組み合わせが可能なアイランドタイプキッチンになります。 -
連続する水まわり導線には、共通のフロアタイルで統一
足元の冷え対策を講じてある杉の置き床生活に対して、フロアタイルの標準施工には床からの冷え対策は普通はありませんが、掃除のしやすさや清潔感のあるフロアタイルのデザイン性はお客様のお気に入りでしたので、下地合板の下に遮熱シートを敷き込ませて頂きました。
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無垢のカウンターにしなかった今回のデザインキッチン
対面キッチンのカウンター、カップボードの天板にはアイカ工業のアイカコアを使いました。
物はしまう方がすっきりするのは当然ですが、日常的によく使うものは出しっぱなしの方が便利に決まっていますね。
それらよく使うものを置くスペースに天然木ではなく、掃除のしやすいおしゃれな白いカウンターにすることで、多少雑然としていても綺麗に見えるように考えました。 -
カップボードの本体は杉の積層板がメインです
ちらりと見える杉や栂の木柄が、壁面としてみるととてもデザイン的に効いています。
この部分は、経年劣化しません。
むしろ色が濃く艶っぽく変化する経年美化するので、20年後を考えた時は白い部分のみをメンテすればいつまでも美しいデザインが維持できます。 -
濃いグレー色柄の壁紙もお客様の好みをつかみました
今回、若いご夫婦に対して年寄り(笑)の過剰アドバイスは控えさせていただきました。
大容量の収納や使い勝手を優先させすぎると、面白くないデザインになるからです。
手の届くところにすべてがあるとか、食器を出すのにいちいち屈むのは不便だというのは私たちの年代の話です。
無意識に体力の衰えを実感しているからそうなるのだと私は思っています。
今回は、そうなったときに壁面に追加工事ができるように考えておきました。 -
垂れ壁を取って窓の向こうまで見渡せるようになりました
部分的なリフォームではデザイン的な特徴を出すことは難しいかもしれませんが、これくらいの規模になると天然木の重要性は、新建材を減らすという意味でも重要です。
今は低ホルムアルデヒドの★★★★建材しか流通していませんが、換気や温湿度管理の不十分なマンションでは、シックハウス症候群の発症リスクは依然高いものがあります。
天然木と新建材のバランスと取りながら、新しいデザインにこれからも挑戦したいと思います。